「みなさん、ボロボロノキを知っていますか?」
問いかけられたのはNPO法人みんなの森プロジェクトの吉村さん。
6月6日(土)、佐賀環境フォーラム自然体験学習会にて、森の役割と生物多様性についてお話くださいました。
見た目が地味な「ボロボロノキ」、庭先や講演で生えていたとしてもいたとしても桜などの観賞用の木に植え替えられてしまう。
そのうえ、材質が脆く、建材や家具としてとても使えるような木でもありません。
しかし、人間にとってはそんな木でも、この木にしか住めない虫がいます。
「ベニツチカメムシ」
赤黒の奇抜ないろどりのカメムシ。
カメムシとはいえ、臭くならない種です。
さらに、この虫最大の特徴は子育て(給餌)をするということ。
ベニツチカメムシは、ボロボロノキの実がある5月から7月にしか繁殖しません。
それ以外はずっと休眠状態です。
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休眠明けの5月、相手を見つけ交尾をすると卵を生む。
産んだ卵はとだんご状に丸めて抱え、歩き回りながら守り抜く。
そして、幼虫がふ化すると巣に残して、母親は落ちた木の実を拾い集めて子どもたちの待つ巣に運ぶ。
子どもたちは運ばれた木の実の汁を吸ってすくすくと成長する。
7月、子どもが集団休眠を始めるころには、母親は役目を終え寿命をまっとうする。
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体長と同じくらい大きさの木の実を抱え、時に木の実をめぐってたたかう母の姿にとても感動しました >_<。 この日の体験学習会では、竹の水鉄砲、竹笛づくりも体験。 簡単そうに見えてコツがいる、自然のおもちゃづくりを楽しめました。