正しい環境認識を有し、環境配慮意識の高い人材の育成を目指して
21世紀は、「環境の世紀」と言われている。
現在、身近な日常生活から地球規模に至るさまざまな環境・エネルギー・資源問題に対して、世代・立場を問わず、社会のあらゆる主体が強い関心を持ち、またそれぞれの理念に基づいてさまざまな取り組みが行われている。
いまや、環境を軸にして社会構造や価値基準は急激に変化しつつあると言うことさえできる。当然、この社会の変革には各主体間の合意形成が必須であり、このためには科学的判断基準に基づいた正しい“環境観”が共有されなければならず、またこれまでの単一的な問題認識ではなく、環境問題を“総合的”に判断できる視点を養わなければならない。
これを満たすために求められることが、環境保全を担う「人づくり」であり、そうした人材を育成する「環境教育」なのである。
2002年12月の国連総会において、2005年から2014年までの10年間を「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」とすることが決議された。これを受けて、「わが国における「ESDの10年」実施計画」では、ESDを「一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境との関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育」と定義している。つまり、ESDの推進を図ることによって、各主体が持続可能な社会づくりに参加することが要求されているのである。
佐賀環境フォーラムは、まさにこのニーズを満たすための役割を担っている。佐賀環境フォーラムの理念は、「広く環境学習の機会を提供し、正しい環境認識を有し、環境配慮意識の高い人材を育成する」ことにある。行政と大学が連携して、市民と学生を対象とした独自の環境活動を実施することで、世代・立場を超えたあらゆる主体が、専門的かつ科学的判断基準に基づいた環境情報を享受でき、また環境問題について共に考え、体験し、考察し、そして全地球的な問題意識を持ち、身近な環境問題に取組んでいくことができる。
活きたESDが重要視される現在、多くの学生、市民が「佐賀環境フォーラム」に参加し、この佐賀地域から環境配慮の意識や行動の輪が拡がっていくことを期待したい。